「はてなどう」「ナラカ」「円環伝承」共用。書き手は ちゃすかとすわさきの二人。
タチイヌノフグリ

立犬陰嚢[タチイヌノフグリ] Veronica arvensis

ゴマノハグサ科クワガタソウ属の越年草。春から初夏にかけて咲きます。
アフリカ~ユーラシア原産の帰化植物で、日本には類縁種のオオイヌノフグリと同時期、明治年間に渡ってきたと言われています。

草の海に散らばる青い星のように目立つオオイヌノフグリに対し、タチイヌノフグリは非常に地味で、草むらをよほど注視していないと気付けません。
花の直径は、僅か3、4mm程度。しかも、日照の強い朝から昼ごろにしか全開では咲かず、後は閉じかけた状態なのですから、目立たないにもほどがある。

タチイヌノフグリとオオイヌノフグリの花の比較


↓下の写真、ツクシの足元に小さな青い花があるのが判るでしょうか。そのくらいの大きさです。

つくしとタチイヌノフグリ


タチイヌノフグリ・全体
咲き始めの時期(四月頭頃)は上の写真のように草丈が低いですが、育つと15~50cmくらいにもなり、茎を立ち上がらせます。

オオイヌノフグリが茎を倒して横這いしていくのに対し、このように立ちあがって咲くので、「立ち」と名前に付けられました。

オオイヌノフグリと同じく、ちょっとした衝撃で花が丸ごとポロッと落ちてしまいます。


小さな花弁は、他のイヌノフグリの近似種に比べて尖った感じです。
また、オオイヌノフグリやフラサバソウよりも濃い瑠璃色に見えます。

花の周囲を互生して取り囲む葉も、花弁と同じくツンツン尖っています。
(ただし、茎の下の方の葉は対生し、オオイヌノフグリに似た丸い形をしています。)

英名が「Corn speedwell(角クワガタ草)」なんですが、やっぱり、全体に角のように尖った感じがこの草の特徴ですよね。

実の形はオオイヌノフグリより更に扁平で、二つ並んだ形はハートマークのように見えて愛らしいです。

タチイヌノフグリの実



タチイヌノフグリの花言葉
信頼、女性の誠実、清浄


実は、オオイヌノフグリのそれと同じです。
要するに「貞淑な女性」のイメージのようで、オオイヌノフグリと結び付けられているキリスト教の老聖女ベロニカが原像なんでしょう。




次に、タチイヌノフグリに似た花を紹介。

フラサバソウ

フラサバ草[フラサバソウ] Veronica hederaefolia
別名:蔦葉犬陰嚢[ツタノハイヌノフグリ]

ゴマノハグサ科クワガタソウ属の越年草。花期はタチイヌノフグリと同じ。
アフリカ~ユーラシア原産の帰化植物。

オオイヌノフグリより小型で、タチイヌノフグリより花が大きい。

明治時代(1875)、長崎で採取したこれがヨーロッパのものと同じだと、フランスの植物学者フランシェ氏(Adrien Rene Franchet)とサバチェ氏(Paul Amedee Ludovic Savatier)が共に著した『日本植物誌』にて報告しました。その後ずっと未確認でしたが、1937年、《1911年に田代善太郎が長崎で採集した標本》を植物学者・奥山春季が再発見し、和名をフラサバソウとしました。
この名は、最初の発見者であるフランシェ氏とサバチェ氏の名を繋げて省略したものです。

発見当初は、海外の窓口たる長崎にしか生えていなかったようですが、第二次大戦後には日本全国で見られるようになりました。

基本的に、オオイヌノフグリと同じように茎が倒れて横這いしていきます。

フラサバソウ・全体


ただ、環境によっては立ち上がって繁茂していることもあるので注意です。

フラサバソウ


茎を立てて繁茂し、小さな青い花を咲かせている様子は、パッと見てタチイヌノフグリに似ています。

けれども花はタチイヌノフグリより少し大きく、色も薄く、花を囲む葉が尖っていません。
茎の下の方の葉の形もタチイヌノフグリとは違います。
別名の「ツタノハイヌノフグリ」が示すように、ちょっと蔦[ツタ]みたいな形の葉ですよね。

英名が「Ivy-leaved speedwell」ですから、同じ発想なのか、和別名はこの英名を訳したものなのか。

全体的に、タチイヌノフグリよりも目立つ感じです。

フラサバソウ
←フラサバソウの花。一緒に映っている白い花はハコベ。
フラサバソウの花は直径5mm程度。

タチイヌノフグリにもぼんやりと産毛は生えていますが、フラサバソウは「毛むくじゃら」と言っていいほどに剛毛が生えて目だっています。

タチイヌノフグリの花
→タチイヌノフグリの花。

フラサバソウに比べ産毛が薄く、花を囲む葉がツンツンと尖っています。
花弁も尖り気味。
花の直径は3、4mm程度。


なお、フラサバソウの果実の形は、「イヌノフグリ」の名を冠した他の植物たちとは違っています。
イヌノフグリは、二つ並んだ実の形が犬の陰嚢を連想させる事に因んだ名。
しかしフラサバソウは丸い実が一つだけなのです。

フラサバソウの実

実の真ん中に通った一筋の線が、二つの実がくっついて一つになった名残を感じさせはしますが、「フグリ」には見えません。
そうしてみると、別名の「ツタノハイヌノフグリ」は看板に偽りあり?



フラサバソウの花言葉
一見こわもて

毛がもしゃもしゃと生えていることに因むようです。
使いどころが難しそうですね。
「パッと見て怖いけれど、あなたは素敵な人」……と伝えたい時に使うんでしょうか?




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 この花なんだ【オオイヌノフグリ】

【2011/04/12 12:10】 | すわさき・その他
【タグ】 この花なんだ  
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面白いと思う無料WEB漫画。


Jコミ

ご存知、絶版になった漫画をWEBで無料公開し、広告収入を直接漫画家さんに贈るという、スゴいサイトです。
漫画家の赤松健さん主催で、ご自身の漫画『ラブひな』も全巻無料公開中という太っ腹ぶり。

何が凄いって、ビューワー閲覧だけでなく高解像度でのPDFダウンロードも自由ってところと、漫画のほんの一部ではなく、頭から終わりまでの全巻が無料でちゃんと読めるところです。

絶版漫画なんて、古かったり大して面白くなかったりするんじゃないか。なにしろ無料で公開するようなものなんだもの。
なんて危ぶんでいたんですが、いざ読んでみると、古くなんてないし面白い!
逆に、こんなに面白い漫画でも絶版になるんだと、世知辛い気分になったものでした。
これは、意識的に広告クリックして漫画家さんにお金を入れなければという気分にさせられます。

目下[もっか]のお気に入りは『交通事故鑑定人 環倫一郎』です。

まだそんなに作品数は多くはないですが、増えて行ってくれるといいなぁ。
単行本になっていないようなマイナー系漫画家さんの短編のWEB公開みたいなのも、いつかやってくれたらいいなぁなんて期待してしまいます。


先生と僕 ~夏目漱石を囲む人々~(Yahoo!コミック)

夏目漱石と、彼と交友した人々を、変にドラマじみた脚色はせず、でも面白おかしく描いた四コマ漫画。
漱石豆知識、という感じ。
絵に癖が無くて、クリアで読みやすいですし、四コマに毎回、漫画家さんのコメント(というか、最早ミニコラム)が付いているのもとっても良い。

この漫画、書店で単行本一巻をたまたま入手して、大変面白いと思い、連載はWEBでされているものだと知ってチェックするようになりました。
読むのが楽しみな漫画です。

それはそうと、この漫画家さんは漱石の奥さんのことは、嫌ってもないでしょうがそんなに好きでもないのかなぁ、と時々思います。気のせいかもしれません。


中国嫁日記
ツイッターなど、WEB各所で口コミ人気沸騰の大人気漫画ブログさん……という認識でいいのかな?

いわゆる国際結婚エッセイ漫画です。
漫画を描いているのは旦那さん。奥さんは若い中国の方で、彼女との生活を、基本突っ込みで描いています。
夫婦仲がとっても良くて、読むと幸せを分けていただける感じです。

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パエトーン(潮出版社)

『日出処の天子』で知られるベテラン漫画家・山岸凉子が、福島原子力発電所で現在も発展中の事故に際し、自身の読み切り漫画一本を、出版社の公式サイトから無料公開しています。
この漫画『パエトーン』は1988年、今から20年以上前のチェルノブイリ原発事故の際に描かれたもので、原発事故に関する学習エッセイ漫画のようなものです。

私はこの漫画家さんのファンなので、この漫画も以前から読んでいました。
それでか、今回の事故の際、この漫画のコマの一つが、しきりに頭に浮かんだものでした。
事故の起きたチェルノブイリ原発の中で軽装で働く作業員たちへ向けた

「この人たちは今 目に見えない火(死の灰)で焼かれているのです」


という手書き文字の言葉。
何故だかそれがとても鮮烈に印象に残っていたからです。

この漫画は20年も昔のものですから、今とは合致しない情報もあるでしょう。
けれど、一つの参考にはなるものだと思います。

【2011/03/29 21:04】 | すわさき・その他
【タグ】 漫画の感想  
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ガガイモ

鏡芋/蘿藦/羅摩/芄蘭[ガガイモ] Metaplexis japonica
別名:鏡草[カガミグサ]、乳草[チチクサ/チクサ]、草パンヤ[クサパンヤ]、ハンシヤ、ジガイモ、カガライ、ガガラビ、ガンガラビ、ゴガラビ、トンボウノチ、ハトカミ、タトウガミ、カトリグサ、カラスノモチ、ムジナノチ、シコヘイ、イカシコ、ゴマンザイ、ゴマザイ、ゴマシロ、ゴマジヨ、ゴマシロカイ、カラスバナ、雀の枕[スズメノマクラ]、ゴウガメ、ゴウガミ、コウガモ、ゴガミ、ゴガミヅル、ドウガメヅル

ガガイモ科ガガイモ属の蔓性多年草。日本、朝鮮半島、中国、ロシアに分布。
夏の終わりに濃桃色の花を咲かせます。直径は1cmほどで星型。花弁には白い毛が生えて毛羽立ったフェルトのようです。

ガガイモ


茎や葉を傷つけると白い乳汁が出ます。別名の「乳草」はこれに由来するのでしょう。

名前に「イモ」と入っています。全国各地で様々な名で呼ばれていましたが、中国・四国地方でガカイモ、カガライモ、カゴイモなどと呼ばれていたのが正式名として定着したようです。一説に「カガミイモ」の転訛だとか。と言うのも、この草の日本古名は「加々美[カガミ]」だったからです。

けれどこの草に芋は出来ません。細長いながら地下茎は育ちますが毒があって食べられません。なのに「イモ」…? どこから出てきたのでしょうか。

いやいや。実は道央のアイヌは、彼らがエプンカウと呼ぶこの草の地下茎を、煮て食べていたそうです。多食しなければ大丈夫らしい。
もしかすると、そうした食習慣がかつては本土の一部にもあって、根を食べることのできる植物ということから「イモ」の名が付いたのでしょうか。

現在、「熟して茶色くなった実の様子がサツマイモに似ているから、イモと付いた」という説が流布しているようです。
個人的には、葉の形や蔓性である辺りが少し山芋に似ているので、その関係なのかもと思いますが、山芋説はまるで人気がないのでした。

ともあれ、世間的には芋に似ていることになっている実。長さ10cmほどのツンと尖った紡錘型。軽くて硬くて、ボコボコと疣[いぼ]があります。

ガガイモの実


ガガイモの実

実の皮は薄く硬く、青いうちなら剥ぎ取ることが出来ます。中には白い繊維と無数の種がギチギチに詰まっていて硬いです。が、茹でたりてんぷらにしたりみそ汁の具にして美味しく食べることが出来るそうです。しかしこれも、多食すると中毒することもあるとか。新芽や莢だけなら心配ないようですが、種子も食べる場合は茹でてよく水にさらした方がいいらしい。

実が熟すと皮が茶色に干からびて縦に裂け、中から、白く長い絹糸のような繊維をサラサラとなびかせた無数の種が露出します。この繊維を種髪と呼びます。種髪はやがてフワフワに広がり、柄のないタンポポの綿毛のように、種を一粒ずつ連れて飛散していくのでした。

種髪は綿の代用として枕や針刺しの詰めものに使われたそうで、それに因んで「草パンヤ」という別名があります。(パンヤとは詰め物用の植物性繊維のこと。)
また、種髪は印肉(印鑑用の朱を染み込ませる繊維。朱肉)としても用いられました。



ガガイモは日本神話に登場する植物として有名です。
古事記

故[かれ]、この大國主神[オオクニヌシのカミ]、出雲[イズモ]の御大之御前[ミホのミサキ]に坐[いま]す時に、波の穂より、天之羅摩船[アメのカガミのフネ]に乗りて、鵝の皮を内剥[ウツハギ]に剥ぎて衣服[キモノ]にして、帰[よ]り来る神あり

さて、大國主神[オオクニヌシのカミ]が出雲[イズモ]の美保の岬にいました時、波の上で天之羅摩船[アメのカガミのフネ]に乗って、蛾[が]の皮を丸剥きにした服(と一般に解釈されるが、原典の字義通りなら羽衣)を着て、流れ寄って来る神がいました。

出雲に流れ寄った神、少名毘古那[スクナビコナ]が乗っていた「天之羅摩船[アメのカガミのフネ]」。「羅摩/蘿藦[ラバ/ラマ/ルマ]」はガガイモの中国名で、ここでは和名「カガミ」の読みが振られています。
スクナビコナがカガミの船に乗って来た。そうとしか書いてないわけですが、多くの学者たちの千年の研究の結果、ガガイモの実を割って作った船に乗ってやって来たのだと、今では殆ど確定的に解釈されているようです。

※もっとも、異説を唱える研究者も絶えないようです。発音通り「鏡の船」と解釈して、鏡のように光り輝く船→太陽の船と解釈したり、蛇の古名「カガ」と関連付けて「蛇の船」とみなし、オオクニヌシもまた蛇神と同一視されること、オオクニヌシとスクナビコナは同一の神という解釈があることと関連付けたり。

確かにガガイモの実は船のような形に見えますよね。一寸法師系の小人神が乗るに相応しい。熟して裂けた実からはみ出る白い種髪も、白髪の小人が舟に乗り込んでいる様を連想させるかもしれません。

ただ、世界中の似たような伝承では瓜かヒョウタンの中に入ってドンブラコと流れ来るのですから、もしスクナビコナがガガイモの実に乗ってきたのなら、裂けた実の船に乗っていたのではなく、閉じた実の中に入っていたのだという方が、伝承の様式美にはのっとっている気もします。

日本書紀

初め大己貴[オオアナムチのカミ]、國 平[たいら]げ、行きて出雲國[イズモのクニ]の五十狹狹之小汀[イササのオハマ]に到りて、且[まさ]に飮食[みおし]せんとす。是の時に、海の上に忽[たちまち]に人の聲[こえ]有り。乃[すなわ]ち驚きて之[これ]を求むるに、都[ふつ]に見ゆる所無し。頃時[しばらく]して、一箇[ひとり]の小男[おぐな]有り。白蘞[かがみ]の皮を以ちて舟と爲し、鷦鷯[さざき]の羽を以ちて衣と爲し、潮水[うしお]の隨[まにま]に以ちて浮き到る

初め、大己貴神[オオアナムチのカミ](大國主のこと)が国を平定しようとしていた頃のこと。出雲の国の稲佐[いなさ]の小浜に行って食事を摂ろうとした時、海の上から唐突に人の声がしました。それで驚いて捜したものの、まるで姿が見えません。しばらくすると一人の小童が現れました。カガミの皮を舟にし、小鳥の羽を衣にし、潮任せでもって浮かび来ました。


こちらでは「白蘞[ハクレン/ビャクレン]」の字に「カガミ」の読みが振られています。
これは「ヤマカガミ」のことだと平安時代の辞書『和名類聚抄』に記載されています。昔は「カガミグサ」と呼ばれる植物が複数あって、それをヤマカガミだのヒメカガミだのノカガミだの、少しずつ違う名で呼んで区別しようとしたようですが…。ともあれ、『古事記』を参考にして、『日本書紀』の「白蘞」こと「ヤマカガミ」はガガイモのことだ、と解釈する向きがあります。

一方で、「白蘞」はガガイモのことではなく、その中国名を持つ植物、ブドウ科ノブドウ属のカガミグサ Ampelopsis japonica だという説もあります。つまり『日本書紀』のスクナビコナは、白蘞の根の皮で作った舟に乗ってやって来たというのですね。白蘞の根は巨大な塊根で、食用でもあり漢方薬にもされるものですから。
根の皮で舟を……。ちょっとばかし無理がある感じもします。ついでに言えば、この草が中国から渡来したのは江戸時代で、古代日本には存在しませんでした。


それにしても、どうしてガガイモの日本古名は「カガミ」なのでしょうか。

「カガ」という言葉には、「輝[かが]」や「赫[かく]」のような、赤々と、或いはキラキラと輝くモノの意味があります。「鏡[かがみ]」の語源もそこにあるとされます。
よって、ガガイモの何かが鏡のように光っていたのだという系統の説が人気です。

例えば、葉が鏡のようにつやつや光るから。(そうでもない)
或いは、熟した実の中に詰まった種髪、またはそれらが飛び去った後の実の中が鏡のように光るから。つまりカガミとは「輝実」の意味であると。(うーん。確かに判り易い特徴かもですね。)

ちょっと珍しい説としては、種髪で鏡を磨いたから、というのも。これはカガミグサの別名を持つカタバミの由来と混同してる感じですね。

次に、「屈[かが]む」という言葉に因むと言う説。
太い地下茎が屈むような低い位置にあるから。(どんな植物の根も低い位置にあるけど…)

なお、各地方の方言別名の中にゴウガメ、ゴウガミ、コウガモ、ゴガミ、ゴガミヅル、ドウガメヅル等とあるのは胴亀、泥亀のことで、これはスッポンの別名であり、葉の形がスッポンの甲羅に似ているからだ、という説もあります。葉脈の模様が亀甲模様に似ているとか。
でもスッポンの甲羅は丸くて亀甲模様もないので、辻褄が合いませんよね。

「カガミ」が訛って「コガミ/ゴガミ」となり、更に訛った「ゴガメ」の発音が泥亀(スッポン)を連想させたことから、葉が甲羅に似ていると言う辻褄合わせの由来説が後付けされたのかもしれません。


薬草として利用する場合は、茎や葉から出る乳汁を疣落としにします。虫刺されに効くとも。
種髪は血止めに使います。

また、初秋に葉と実を採取して日干しします。
種子を干したものを羅摩子[らまし]と呼び、滋養強壮剤として服用します。


ガガイモの花言葉
清らかな祈り
味わい深い




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 この花なんだ【カタバミ/ムラサキカタバミ】

【2011/01/22 20:05】 | すわさき・その他
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柿の花

[カキ] Diospyros kaki

カキノキ科カキノキ属の落葉高木。
中国の長江流域が故郷で、日本には古代に大陸から伝播したのだろうと言われています。
アメリカやヨーロッパには日本から伝播したので、学名に「kaki」と入っています。
なお、属名「Diospyros[ディオスピロス]」はギリシア語で「神の食べ物」の意味。

柿の花
初夏に、指の先くらいの大きさの、淡く緑色がかった花を咲かせます。プラスチック細工のように小さくて硬く厚ぼったく、可愛らしいです。散る時はそのままボトボトと落ちます。


ご存知のように、秋に夕日色に熟す大きな実が人気です。
山には小さな実がガラガラ鈴生りになるガラ柿が生えていますが、三倍も大きなつやつやの実が生る栽培種の柿が、今は世を席巻しています。

熟すと自然に渋が抜けて程よい硬さの時に生食できる甘柿と、ドロドロに熟すまでは渋味の残り続ける渋柿があります。
実は甘柿は渋柿の突然変異で、日本では1214年に神奈川県の王禅寺で発見されたものが初と言われ、それまでは熟柿になるのを待つか、渋抜き加工して食べるのが当たり前でした。

渋を抜く方法は色々ありますが、昔から人気があるのは、干して半生のドライフルーツにする方法。保存もきいて甘くなります。砂糖が希少だった時代、甘い干し柿はおやつとして高い人気を誇っていました。

柿の実


木は硬いですが割れ易いので建材には使われず、家具や細工物に用いられます。

葉は干して煎じて、柿の葉茶として。ビタミンCを多く含み、止血作用があるだとか血圧を下げると言われています。
葉には殺菌効果もあり、柿の葉寿司に用いられます。

なお、実の《へた》の部分を煎じて飲むと、しゃっくりや咳が止まると言われました。

実を潰して寝かせて作る柿渋は、防水効果のある塗料として用いられます。これを塗った紙を渋紙と呼んで、和傘や団扇に用いていました。


「カキ」という名の語源には諸説ありますが、「アカキ」が訛ったのではと言われているようです。実が赤く熟すから「赤き」「赤木」だとか、紅葉するから「赤黄」だとか、解釈は定まっていません。


カキの花言葉
自然美
恵み

【2011/01/18 21:42】 | すわさき・その他
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サザンカ(白)

山茶花[サザンカ] Camellia sasanqua
別名:姫椿[ヒメツバキ]、小椿[コツバキ]、ヒメガタシ、コガタシ

ツバキ科ツバキ属の常緑小高木。花期は晩秋から冬。
インドネシア、中国、台湾、日本等に分布。日本では、山口県・四国・九州に自生しています。
この属は本来、熱帯~亜熱帯産で、日本自生種は温帯に適応したのであり、山口県が自生の北限なのだそうです。南の植物なのに冬に花が咲くのは不思議な感じ。
栽培種が数多く、花色はピンクや白など様々。生け垣に好んで用いられます。

サザンカ(ピンク)

別名も示しているように、同属の椿[ツバキ]によく似ています。
見分けるポイントは以下。

・サザンカの方が、ツバキよりやや早い時季に花が咲き始める
・サザンカの子房(雌しべの根元の膨らんだ部分)には毛が密生している
・サザンカは散ると花弁がバラバラになるが、ツバキは繋がったままポトリと落ちる

サザンカとツバキは、日本では古くは殆ど区別されていなかったようです。
実は「山茶花[サザンカ]」という中国由来の名前そのものが、ツバキと混同された故のもの。
本当はツバキの中国名が「山茶花(山茶)」で、サザンカの正しい中国名は「茶梅」でした。取り違えられたまま定着したようです。
ともあれ、「山茶花」を「さんざか」と読んでいたのが訛って、現代の「さざんか」になったと言われています。

では、中国の名前が伝わる以前の、日本古来の名は何だったのでしょうか?
「カタシ」だったのではと言われています。
四国から九州にかけての方言でそう呼ばれており、各地方で少しずつ差異があります。「カテシ」「カタカシ」「カテイシ」など。

ところが、ここにもまた、ツバキとの混同があります。
「カタシ」はツバキを指すという地方もあるのです。
その場合、サザンカの方は「ヒメカタシ」「ヒメガタシ」「コカタシ」「コガテシ」などと呼ぶのでした。サザンカの方がツバキより葉が小さいので《ヒメ》や《コ》を付けるようです。

「カタシ」の由来は諸説ありますが、どれもサザンカの木質の硬さに帰結します。カタシとは「硬枝」のことであるとか、実の硬さから「硬し(硬い)」だとか。

硬い材はツバキのそれと同様に、農機具の柄や細工物に使われたり、南九州では炭焼きの素材とされました。
また、南九州では実から油を搾りますが、これを「ツバキ油」としています。古くからのまま、ツバキとサザンカを厳密には区別しないようです。


サザンカの花言葉
謙譲、謙虚
困難に打ち勝つ、ひたむきさ、ひたむきな愛、理想の恋
愛嬌




茶の花

茶の木[チャノキ] Camellia sinensis
別名:目覚まし草[メザマシグサ]、草人木[ソウジンボク]

ツバキ科ツバキ属の常緑低木。花期は晩秋で、サザンカやツバキより三回りも小さな花を、自信なさげに俯[うつむ]いて咲かせます。
中国南部原産と言われ、嗜好飲料「茶」の原料として、中国からインド、日本など、世界の広い地域で栽培されています。

そう。「お茶」は、実はツバキの仲間だったのでした……!
花は小ぶりのサザンカという感じで、実もツバキやサザンカに似ています。「ツバキ油」を搾ることも可能。

先に、「山茶花(山茶)」は本当はツバキの中国名なのだと書きました。
同属のうち、山に好きに生えて華やかに花の咲くモノが「山茶」ならば、花は小さいが有用薬草として人里で栽培され続けてきたのが「茶」です。

ご存知のように、初夏に若葉を摘んで加工し(炒る、蒸す、天日に干す、発酵させるなど、方法は様々)、煎じ汁を飲用します。葉を発酵させた場合は紅茶となり、半発酵茶にはウーロン茶などがあります。

茶は、古代から中国で薬草として用いられてきました。
元は菜として「食べて」いたようで、汁の具にしていたようです。今でも、ミャンマーやインドの一部では茶葉を煮てから漬けものにして食べるそうですし、日本にも茶粥など色々ありますよね。

煮て汁の具にする茶を「苦荼[クト]」と呼びましたが、これは茶だけではなく、苦みと薬効のある数種の植物(ニガナ、ノゲシ、チガヤの穂、オギの穂など)全般を指していたようです。
ともあれ、苦みのある草ということから、苦いという意味の「余」に草かんむりを付けた「荼」という漢字が出来、唐代に簡略化し「茶」として、これがチャだけを示す専用の漢字になったのでした。

古代中国では、茶葉を蒸してから搗いて団茶とし、火で炙って削って、煎じて飲みました。ネギやショウガや陳皮(干したミカンの皮を砕いたもの)を加えるとか、いや塩以外を入れるのは邪道だとか、色々な流儀があったよう。

チャノキが日本に伝わった時期は定かではありません。遣隋使・遣唐使が持ち帰ったのが最初ではないかと言われていますが、飲用の定着はしませんでした。
今の日本茶のルーツは、1191年、臨済宗の開祖・栄西が宋から持ち帰って長崎や佐賀に植えたチャノキの種子だと言われます。
茶は長く高級品でしたが、江戸時代頃に大量生産が可能になり、現代のように一般に広まったのだそうです。お百姓さんありがとう。

なお、茶がまだ高級品だった頃の日本では、あくまで薬湯として使われていたようです。戦の時、眠気を覚ます強壮剤として兵に配ったとか。
確かに、茶にはカフェインが含まれますから、覚醒作用がありますよね。
別名中に「目覚まし草」とありますが、薬効そのまんまです。

ところで、別名に「草人木」とあるのは、何のことだと思いますか?
これが載っているのは江戸時代の『本草綱目啓蒙』ですが。
「草人木」。草かんむりの下に人、更に下に木と書くと。そう。「茶」という字になりますよね。これは茶人たちが使っていた隠語なのだそうです。当時のオシャレな言い変えだったんでしょうか。


チャノキの花言葉
追憶
純愛




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 この花なんだ【ヤブツバキ】

【2011/01/17 22:36】 | すわさき・その他
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「カキ」の方に
MAERZ
つけるつもりだったのに間違えました…(-_-;)

柿の花言葉
すわ@管理人
こんばんは。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。

>「私を自然の中に埋めてください」
おお。神秘的なような妖しいような。
そういえば、ネットで検索した時そんな感じの長いのがあった気がします。
なんとなくヤバい気がしたので見なかったふりをして避けたとゆー。(えー)

でもどうして柿で「自然の中に埋めて」なんでしょうね。
クルミならまだ解る気もします。(リスが埋めるから…)


お仕事お疲れさまです。MAERZさんもご自愛ください。
つたない記事ですが、息抜きの一つにでもなれたら嬉しいです。

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