「はてなどう」「ナラカ」「円環伝承」共用。書き手は ちゃすかとすわさきの二人。

燕舞

廻る、廻る、ツバメが廻る。
壁に取り付いたかと思うと、弧を描いてツバメは再びその壁に取り付く。
壁には土がこびりついているのが見えた。
ああ、巣だ。
巣に帰ってきたのか。まだ子育てをしているのか?
そうは思ったけれど様子がおかしい。
ツバメは再び弧を描く。
何度も何度も弧を描く。
壁に取り付いては舞い。
壁に取り付いては舞い。
よくよく見れば、壁には土がこびりついているだけで、巣がないのだ。
巣は、建物の主に壊されてしまったのだろう。
それなのにツバメは、無くなってしまった巣に戻ろうとしているのだ。
…ツバメは親鳥なのか、今年生まれた雛なのか。
巣の名残を残した壁を基点にツバメは廻る。
今まで聴いたことのない声を上げながら。

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【2010/08/19 20:36】 | ちゃすか・その他
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