「はてなどう」「ナラカ」「円環伝承」共用。書き手は ちゃすかとすわさきの二人。
キキョウソウ

桔梗草[キキョウソウ] Triodanis perfoliata Nieuwl.
別名:段々桔梗[ダンダンギキョウ]

キキョウ科キキョウソウ属の一年草。草丈30~80cm。ひょろ長い。そして花が綺麗な野草です。
北米原産で、日本には明治中期に入り、第二次大戦後に広まって、最近はよく見られるようになりました。

名の由来は、桔梗[キキョウ]に似た花を咲かせる草だから、なんでしょうね。
ちなみに、英名は「Common Venus' looking-glass」。「ビーナスの鏡」!
何やらロマンチックな名前。
「Common(普通の)」と頭に付いているのは、近似種が他にあるからです。日本にも帰化している小型の「雛桔梗草[ヒナキキョウソウ] clasping Venus' looking-glass」。(次に紹介)

ところで、「Venus' looking-glass」という名を持つ草は他にもあるようで。
同じキキョウ科ですがレゴウシア属。学名は「Legousia speculum-veneris」。(「speculum」とは磨いた金属鏡のこと。)
イギリスをはじめとするヨーロッパに自生していて、日本には「レゴウシア」の名で園芸品種として入っています。花の感じはキキョウソウと似ていますが、サイズはずっと大きく、葉の形や花の付き方が違う。簡単に言えば、花弁の先がやや丸い桔梗、といった見かけ。
この花はドイツでは「クライナー・フラウエン シュピーゲル(小さな婦人の鏡)」と呼ばれているそうです。

以下のサイトさんの写真が美しかった。ページの殆ど最下部の、記事番号23791、青紫の花です。
地中海風お花畑に憧れて4.巨大エキウムと(*^。^*)ビーナスの・・・(モウズイカのガーデニング狂時代)

キキョウソウこと北米原産の「Common Venus' looking-glass」(学名「Triodanis perfoliata」)は、もしかしてレゴウシアこと「Venus' looking-glass」に花が似ていることに因んで名づけられたんでしょうか?


レゴウシアには、由来神話が存在します。
---------
ある日、美と愛の女神・ヴィーナスが、鏡を牧草地に置き忘れた。
羊飼いが見つけたが、鏡に映る自分の姿があまりに美しいので、すっかり魅了されて動けなくなってしまった。ヴィーナスの鏡には、映るものをより美しくする魔法の力があったのだ。(ドラえもんの嘘つき鏡みたいですね。)
俺ってなんてイケメンなんだろう……!
ああ、鏡から離れられなくなってしまった羊飼いの運命やいかに?
と。そこにヴィーナスの息子、愛の神クピドが現れた。鏡は彼によって無慈悲に奪い去られ、無事に神の手に戻された。
さて、鏡は無くなってしまったが、鏡の落ちていた草の上に、鏡の形を映したかのような見知らぬ花が咲いていた。これが「ヴィーナスの鏡」である。
---------

ただし、この由来神話はカンパニュラのものとして語られることもままあるようです。
(カンパニュラはキキョウ科ホタルブクロ属の総称ですが、この場合、学名「Campanula speculum」と呼ばれるものを指します。ベルフラワーと呼ばれることも。)

個人的には、袋状の花のカンパニュラより、平たく開いて咲くレゴウシアの方が、古代の金属鏡に見立てやすいと思うのですが…。
女神の鏡と言うより、妖精の手鏡、みたいなイメージの方がしっくりくるかもですね。


キキョウソウキキョウソウは、丸い葉が茎に直接段々に付き、花を包むようにしているのが特徴的です。
日本での別名「段々桔梗[ダンダンギキョウ]」は、この段々に花葉が付いた様子からきているのでしょう。



 ↓花のアップ。小さい(1.5~2cmくらい)ですがちゃんと桔梗の花っぽくて綺麗。
キキョウソウの花


ところでこの花の実(5~7mmくらい)、熟すと二、三ヶ所が縦細くクルクルクル~っと巻き上がり、小さな窓がめくれ開いて、そこから種がパラパラこぼれる仕組みになっています。
キキョウソウの実なんて面白いんでしょうか。

ちゃんと花が開いて受粉して出来た実は三ヶ所、閉鎖花のまま自家受粉して出来た実は二ヶ所に窓が開くんだそうな。

ところで、英名の「Venus' looking-glass ビーナスの鏡」は、この穴の開いた実の形に由来する、と解説してあるページを見ました。具体的にどういうことかまで書いてなかったのですが、開いた窓を姿見に見立てているということなんでしょうか? うーん、ミクロな世界です。



キキョウソウの花言葉
人当たりのいい
優しい愛



ヒナキキョウソウ

雛桔梗草[ヒナキキョウソウ] Toriodanis biflora Greene
別名:姫段々桔梗[ヒメダンダンギキョウ]

キキョウ科キキョウソウ属の一年草。
草丈10~30cm。花径1.7~2.3cm。
北アメリカ原産の帰化植物です。

ヒナキキョウソウキキョウソウにとてもよく似ていて、道端で一瞥しただけでは混同してしまうかもしれません。
識別点は以下の通り。

・キキョウソウより葉が小さく尖っていて、草姿がほっそりしている
・キキョウソウよりも花がわずかに大きめで、広く開く
・キキョウソウが何輪もの花を一度に咲かせるのに対し、頭頂部に一輪しか咲かせない


ヒナキキョウソウの実茎の下の方に付いているのは全て閉鎖花で、花を咲かせること無く自家受粉して実になります。
キキョウソウと同じく、実に小さな窓がめくれ開いて種がこぼれ落ちます。
キキョウソウに比べて窓の位置が高いです。



ヒナキキョウソウの花言葉
陽気で明るい



次に、同科別属で名前の紛らわしいもの。
ヒナギキョウ

雛桔梗[ヒナギキョウ] Wahlenbergia marginata

キキョウ科ヒナギキョウ属の多年草。
日本のほか、朝鮮半島から中国、東南アジア、オーストラリアに分布しています。
ヒナギキョウ属は主に南半球に100種ほどあり、東アジアに自生しているのはヒナギキョウ一種のみです。

ヒナギキョウの花→写真の花は雨に濡れた状態

晩春から夏にかけて、河原などの明るい草地で見られます。
花は1cmくらい。草丈は20~40cm。
びょろひょろと細長く、藪の中では目を凝らしていなければ見落としそうです。

ニワゼキショウと同じ草地に生えていることも多く、パッと見た瞬間は間違えてしまいそうになることも。
しかし花弁の形や葉を見れば区別できるかと。

名前の由来は、恐らく「桔梗に似た小さい花」ということなんでしょうね。


ヒナギキョウの実
↑ヒナギキョウの実。

ヒナギキョウの花言葉
少女の媚び
少女の優しさ
少女の恋

……可愛いけど未成熟、というイメージなんでしょうか。
スポンサーサイト

【2010/05/21 23:18】 | すわさき・その他
【タグ】 この花なんだ  
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック