「はてなどう」「ナラカ」「円環伝承」共用。書き手は ちゃすかとすわさきの二人。
カラスノエンドウ

烏野豌豆[カラスノエンドウ] Vicia sepium
別名:矢筈豌豆[ヤハズエンドウ]、野豌豆[ノエンドウ]、イララ、シービービー、ピーピー豆[ピーピーマメ]

マメ科ソラマメ属の越年草。草丈60~90cmに育って藪を作る小さな豆。ユーラシア大陸の暖温帯に分布します。
原産地は地中海~中東の辺りだと言われ、古代には農作物として栽培されていたことが確認されていますが、現在は完全に雑草扱いになっています。

カラスノエンドウの花花は1~2つずつ。豆莢は育つと硬くなって、中に豆果が10個前後入っています。

最も知名度の高い野草の一つだと思います。硬く育った豆の莢[さや]で笛を作り、ビービー吹き鳴らした思い出のある方は多いのではないでしょうか。

実は、別名に挙げている「矢筈豌豆[ヤハズエンドウ]」が正式和名なんですが、カラスノエンドウの知名度が圧倒的に高いので、あまり使われていないようです。
なお、巻き髭のない異種があり、「蔓無し矢筈豌豆[ツルナシヤハズエンドウ]」と呼びます。


「カラスノエンドウ」の名の由来は、二説に分かれています。

・カラスが食べるような小さい豌豆だから(カラスの豌豆)
・熟した豆莢がカラスの(羽の)ように黒くなるから(カラス野豌豆)

カラスノエンドウの黒い莢

中国でこの系統の草を「野豌豆[ノエンドウ]」と呼びます。
「カラスノエンドウ」は「カラス(サイズ)の豌豆」なのか、「カラス(色の)野豌豆」なのか。


「ヤハズエンドウ」の名の由来は、葉の形が矢筈[やはず]に似ているから。
矢筈とは、矢柄[やがら]の本[もと](鳥の羽を付ける方)に、弓弦[ゆづる]を引っ掛けるため入れてある切れ込みのことですが、単に、以下のような図柄の名前でもあります。


カラスノエンドウの葉

言われてみれば似てますね。

別名の「シービービー」や「ピーピー豆」は、豆莢で作る笛の音に因んでいるようです。


古代には作物として栽培されていましたから、当然、若葉や小さな豆は食用になります。
若葉はてんぷらに、豆は若いうちに莢ごと食べたり、熟した豆を炒るなどすると美味しいそうです。
また、茎葉を干してお茶にして飲用します。


↓おまけ。白花のカラスノエンドウ。花が白い以外は普通のカラスノエンドウと同じ。
 数株がまとまって繁茂していました。

白花のカラスノエンドウ



カラスノエンドウの花言葉

小さな恋人達
喜びの訪れ、必ず来る幸福、未来の幸せ
永遠の悲しみ


「絆」は、蔓ひげが絡みあうからでしょうか。「小さな恋人たち」は、花が二つずつ付いてるからかな。
それはともかく「必ず来る幸福」と「永遠の悲しみ」って真逆のよーな……。



次に、カラスノエンドウとくればセットで語りたいこの花。
スズメノエンドウ

雀野豌豆[スズメノエンドウ] Vicia hirsuta
別名:犬豌豆[イヌエンドウ]

マメ科ソラマメ属の越年草。
カラスノエンドウに似ているが小さいので「スズメ」の名が付けられたとされます。

スズメノエンドウの花

淡~く紫色がかった小さな花(3、4mm)が、2~6個くらいずつまとまって咲きます。(基本は4つ。)

実は、カラスノエンドウがソラマメ属らしく天を向いて実るのに対し、ブラっとぶら下がります。
莢[さや]には毛が生え、一つの莢の中に豆果が2つ入っています。
莢は小さくて、笛には出来ません。


スズメノエンドウも若葉が食用になります。
また、全草を干してお茶にして飲用します。


スズメノエンドウの花言葉
手をつないで歩こうよ




最後に、スズメノエンドウによく似ていて紛らわしいものを。
カスマグサ

カス間草[カスマグサ] Vicia tetrasperma

マメ科ソラマメ属の越年草。

変な名前ですが、なんと「カラスノエンドウとスズメノエンドウの中間みたいだから、カとスの間でカス間草」という由来です。
こういう三次煎じのような名前ということは、古くはスズメノエンドウと混同でもされて、自分の名前がなかったということ? 別名(地方名)もないみたいですし。
それにしたって、どうしても漂ってしまう適当感&不揃い感。
せめて「カスマの豌豆」にならなかったんでしょうか。

カラスノエンドウより小さくて淡い、スズメノエンドウより大きくて鮮やかな色の花を、1~3つずつ付けます。(基本は2つ。)

スズメノエンドウとカスマグサの花比較


実の生り方はスズメノエンドウに似てブラっとぶら下がりますが、莢に毛はなく、豆果は4~5個。(基本は4つ。)

スズメノエンドウとカスマグサの実の比較


…とまあ、こんな風に「花の数」「豆果の数」がスズメノエンドウとカスマグサの見分けポイントだとされているんですが、この辺、実際に生えてるやつは結構いい加減で、割と悩まされることも多かったり。

実は識別点が他にもありまして、花を支えている萼裂片が、鋭く長く尖っているのがスズメノエンドウ、あまり尖らず短いのがカスマグサです。
また、スズメノエンドウの巻き髭は途中で幾つも枝分かれしてもしゃもしゃしてますが、カスマグサは一本だけになっています。

けれど、スズメノエンドウとカスマグサが絡み合って一つの株のように茂っているものもしばしば見られ、紛らわしいことこの上ありません。


カスマグサの花言葉
輝く心
負けず嫌い


「負けず嫌い」は、カラスノエンドウとスズメノエンドウに挟まれて、負けまいと張り合っているからだそうな。
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【2010/05/19 11:53】 | すわさき・その他
【タグ】 この花なんだ  
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