「はてなどう」「ナラカ」「円環伝承」共用。書き手は ちゃすかとすわさきの二人。
サンショウの雄花

山椒[サンショウ] Zanthoxylum piperitum
別名:椒[ハジカミ]

ミカン科サンショウ属の落葉低木。
雌雄異株で、写真は雄株の花です。放射状に広がっているのはおしべ。

全体に芳香があり、ご存知のように、春の新芽を採って料理に飾ったり、擦って酢味噌に混ぜたり。幹はすりこぎに。
芽を使うときは、手でパンと叩いて香りを立たせるのがミソ。細かく尖った棘がギシャギシャ生えていますが、柔らかめなので気を付けていれば痛い思いはしません。

雄花は花山椒と呼んで、つぼみのうちに摘んで、佃煮にしたり鍋に入れたりするそうですが、やってみたことがありません。
熟した実を乾燥させ粉にしたものが、スーパーでも売っている「粉山椒」です。ウナギのかば焼きなんかにかけるやつ。七味唐辛子にも入っています。


別名の椒[ハジカミ]は、山椒の古名。
『古事記』『日本書紀』の神武天皇の条の戦歌[いくさうた]に

垣下[かきもと]に植ゑし波士加美[ハジカミ] 口ひひく

垣根のところに植えた山椒、口ヒリリ


とあるのはご存知の通り。

ところが、三世紀ごろに中国から生姜が移入されると、同じように「口をヒリヒリさせる」香辛料とて、そちらまでも「ハジカミ」と呼ばれるようになり(ただし漢字は「薑」。)、紛らわしい事になりました。
区別するために、既に江戸時代にはサンショウを「生[な]り(生る)ハジカミ」「フサハジカミ」とも呼んでいたようです。

「ハジカミ」は「ハジカミラ」の略と言われます。「ハジ」は「爆[は]ぜる」、「カミラ」は韮[にら]の古名で、熟した実の皮が弾けて黒い種が顔を出す様子と、刺激のある味が韮を思わせることから。


「椒」という漢字はピリピリする実をつける植物の総称ですが、中国で「椒」とだけ言う場合、基本的に「華北山椒」のことを指します。中国名は「花椒」で、実を加工して香辛料にします。四川麻婆豆腐の仕上げに振りかける花椒はこれのこと。

中国では実や種子や葉は勿論、根すらも薬用とします。
成分が脳を刺激して、弱った胃腸を整えます。ただ、刺激が強いので激しい腹痛の治療には向きません。
種子を煎じて飲むと利尿剤に、実の煎じ汁を塗ると水虫に効くとも言います。


お正月に飲む「お屠蘇[とそ]」は、日本酒か味醂[みりん]に「屠蘇散[とそさん]」という漢方薬を漬けて作るんですが(年末に薬局やスーパーで売っています)、この中にも山椒は調合されています。


サンショウの花言葉
健康
魅惑


屠蘇散の調合レシピを作ったのは、中国の後漢末期~魏初期に活躍したとされる伝説的な医師・華陀[かだ]だと言われています。
伝説の医師も認めた山椒の薬効。花言葉が「健康」なのは、ナルホドという感じですね。
スポンサーサイト

【2010/04/30 19:00】 | すわさき・その他
【タグ】 この花なんだ  
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック