「はてなどう」「ナラカ」「円環伝承」共用。書き手は ちゃすかとすわさきの二人。


勿忘草/忘れな草[ワスレナグサ/ワスルナグサ] Myosotis
別名:藍微塵[アイミジン]

ワスレナグサの花
ムラサキ科ワスレナグサ属の多年草。水辺や木陰を好みます。
伸びると草丈30cmくらい。
春に7mmくらいの、中心に黄色い輪(鱗片)のある空色の花が寄り集まって咲き、大変愛らしいです。

時季が進むと花茎はヒョロヒョロと伸びて行きます。


花茎の先端はサソリの尾のようにクルリと巻いており、サソリ型花序と呼ばれます。

ワスレナグサの花序


ワスレナグサはワスレナグサ属の草の総称。全部で50種ほどあります。
ヨーロッパ~西アジア辺りが原産で、アフリカからユーラシア、ニュージーランドとオーストラリアまで分布し、日本には「蝦夷紫[エゾムラサキ]」(別名「オカワスレナグサ」)だけが自生しています。(本州中部以北~北海道)
現在は園芸種が出回り、それが野生化していることもあるようです。

写真は園芸種として出回っていた野原勿忘草[ノハラワスレナグサ]。別名「野原紫[ノハラムラサキ]」。


「忘れな草」という和名は英名の「Forget-me-not」を訳したもので、明治時代に植物学者の川上滝弥が付けました。「勿忘草」の字の方は中国名をあてたものです。英名は中世ドイツの伝説に由来しています。

騎士ルドルフは恋人のベルタに捧げようと、ドナウ川のほとりに咲いていた珍しい青い小花を摘み取ろうとした。ところが誤って足を滑らせ、深く急な川に転落してしまったのだ。彼は最期の力を振り絞って花を岸に投げ、「私を忘れないで!」と言い残し流れに消えた。遺されたベルタはその花をルドルフの墓に植え、彼の最期の言葉「忘れないで」を花の名とした。
#別説では、花はほとりに咲いていたのではなく川に浮いていたとする。また、ベルタは花を墓に植えたのではなく、生涯 自分の髪に飾り続けたとする説もある。ルドルフが溺れたのは甲冑が重かったためだと語る場合もあり。

ドイツでも「忘れないで」という意味の「Vergissmeinnicht」という名で呼ばれています。この伝説のイメージがよほど強烈だったのか、世界の多くの国でこの意味の名が付けられています。


ワスレナグサ属の学名は「Myosotis(ミオソティス)」ですが、これがそのまま花の名前として通用している場合も。この学名はギリシア語で「二十日鼠の耳」を意味し、産毛の生えた丸い葉の形を、鼠の耳に見立てたものです。


ヨーロッパでは喘息や慢性気管支炎に効くとて、この草でシロップ薬を作って飲んでいたそう。


ワスレナグサの花言葉
私を忘れないで
真実の愛
真実の友情

ドイツの伝説をイメージした言葉ですね。
「真実の友情」は、花言葉の適用範囲を恋人以外にも広げたいとの意図の微アレンジかと思います。





次に、ワスレナグサに似た花を咲かせる野草を紹介。

キュウリグサ

胡瓜草[キュウリグサ] rigonotis peduncularis
別名:田平子[タビラコ]、胡瓜菜[キュウリナ]

春になるとそこらじゅうで見かける草です。小さな小さな花が星のように集まっている……。近付いてよお~~っく花を見てみると。


キュウリグサ

キュウリグサの花


なんと、ビックリするほど愛らしい。
しかも薄い空色で真ん中に黄色い輪(鱗片)がある。ワスレナグサの花みたい!

これに気付くと、素晴らしい宝物を見つけた気分になって嬉しくなります。ほんの、マッチ棒の頭くらいの大きさの花なのに、なんてまあよく出来ていて、綺麗な色が付いているんだろう。

ワスレナグサは花期の終わり頃は長く伸びた花茎の先に花が幾つか付いている状態になりますが、その様子に非常に似ていて、ワスレナグサのミニチュアのようです。

キュウリグサの花序

花茎の先がクルリと巻いた、サソリ型花序になっているのも同じ。


ワスレナグサと同じく、ムラサキ科の花です。ただしキュウリグサ属。
越年草で、伸びるとヒョロヒョロして20~30cmほどにもなります。
古代、麦の伝来と共に渡来した帰化植物だと言われています。

名の由来は、全草に胡瓜[キュウリ]みたいな匂いがあるから。葉を揉むと強く感じられます。
……つまり、胡瓜の香りのするハーブってことなのでしょうか。レモンの香りのするハーブがレモングラスであるように。
講談社の『園芸大百科事典』に、昔、鹿児島で切った大根にこの草の汁を加えて胡瓜揉みの風味を付けていたと書かれてあるそうです。ホント?

別名は「田平子[タビラコ]」ですが、キク科の小鬼田平子[コオニタビラコ]、藪田平子[ヤブタビラコ]、鬼田平子[オニタビラコ]等とは関係がありません。


花が咲く前の若い葉や茎は食用になります。
中国では「附地菜」。全草を乾燥させて煎じ、利尿剤として用います。

 ↓春の終わりには花茎がヒョロヒョロ長く伸び、遠目にはナズナのようにも見えます。



キュウリグサの花言葉
愛しい人へ
真実の愛

どうも、ワスレナグサの花言葉を流用している感じです。
花が似ているからって、花言葉まで似せなくてもいいのに。


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【2010/04/22 19:00】 | すわさき・その他
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