「はてなどう」「ナラカ」「円環伝承」共用。書き手は ちゃすかとすわさきの二人。
ナラカやブログの拍手をありがとうございます。

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テイルズオブシリーズ15周年記念本『テイルズオブ大全』って本が出てますよね。

Tales of 15th Anniversary テイルズ オブ 大全 1995-2011 (ファミ通の攻略本)Tales of 15th Anniversary テイルズ オブ 大全 1995-2011 (ファミ通の攻略本)
(2011/06/04)
週刊ファミ通編集部

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今月頭に発売されてたそうですが、今日まで存在を知りませんでした。(^_^; 情報弱者)
各タイトルのパーティキャラそれぞれの、心情にスポットを当てたショートストーリー付きと謳われてて、え、小説? まさかそんな、シリーズ主要キャラ全員分!? と驚き、どうせ短いんだろうし大して実のある内容じゃないサきっと、ああでも凄い新事実とか書いてあったらどうしようと惑い、フラフラ入手。

読んでみたらば。
……うーん。つまり各キャラの解説文が小説っぽい体裁で書いてある、ってのを「ショートストーリー」と呼んでたんですね。な~んだ。
ショートストーリーと言えば言えるけれど、小説とも言い切れない。
あくまで、キャラクター解説を小説風に面白く書いた文、って感じです。

なんにせよ、これだけの作品の、こんな人数分の解説を小説風に(つまりある程度以上思い入れて)書いてあるってのは、素直に凄いと思いました。
何人で書いたのか? と気になってしまうほど。
奥付見る限り、執筆者として名前を出しているのは二人だけ…。
会社名でまとめられてて名前の出てない人たちもいるのでしょうけども。やっぱりすげーです。


さて。
私は例によってアビスのページばっか読んでいます。
いや他のゲームはよく判んないのも多いし。
ともあれ、アビスのページだけでも結構面白かったです。
特に作品解説が気に入りました。

 作品のシリーズ化とは両刃の剣である。安定したファン層に支えられているがゆえに需要数が割り出しやすく、ビジネスとして失敗する恐れが少ない反面、そのファンのイメージを崩さんがための定番化が行なわれ、作品自体が委縮する恐れがあるためだ。

(中略)

本作『テイルズ オブ ジ アビス』(以下『TOA』)は、『テイルズ オブ』シリーズ10周年記念という大きな節目となる作品でありながら、ある意味もっともわかりやすい部分に少々突飛な設定を盛り込んできた。シリーズ中でもひと際特異なキャラクター性を持つ主人公、ルークである。

 貴族の息子やレプリカも、ルークを語るうえでは外せないファクターだが、決定的なのは彼が「誰かを殺めることに悩む」点にある。ルークは最初、魔物を倒すことにさえ罪悪感を覚え、弾みとはいえ人を殺したことを後悔し恐怖する。やがてそれも仕方がないと割り切るものの、アクゼリュス崩落という「大量殺人」を犯してしまい、ついには自己弁護へと走る。こうした彼の心の動きは、いわゆる「一般的な若者」そのものであり、多くのプレイヤーの心情に寄り添うものでもあるだろう。

(中略)

 こうしてルークとプレイヤーが強い一体感を覚えることにより、「命を奪う」というゲームにおける暗黙の了解に対して、真正面から考えさせる機会を与えてくれる。ルークが自分の存在を見つめ直すように、プレイヤー自身も彼の感情を仮想体験するという、得がたいプレイ感覚を楽しむことができるのである。


素敵な解説です。

各キャラの「ショートストーリー」は、ジェイドのが出色かなと思いました。
最終決戦前にピオニーに宛てた手紙という体裁。(追憶のジェイド外伝の、「ジャスパー宛の手紙」短編小説を参考にしたのかな)
ジェイドの一人称で、例のごとく飄々としつつ、ルークや自分の罪への気持ちを説明し、将来のフォミクリ―研究への展望を語った文章。
解説文を兼ねる故に、ジェイドが少々赤裸々に自分の気持ちを説明し過ぎな面はありますが(本来の彼はもう少し晦ましそう)、全体には彼らしいし、少ない字数で「ショートストーリーになっている」印象でした。

彼との旅は私にとって、なかなか意義のあるものでした。今これを記す私も性格が悪いですが、アクゼリュス崩落直後の彼は、見るに耐えないものでした。彼自身の問題はもちろんですが、何よりネビリム先生をあやめてしまった事実から逃げていた私と同じでしたから。

 思えばこの旅の間、私は終始「自分の罪」を見せつけられていたようです。

(中略)

私は私の責任を真正面から受け止めて、この件に終止符を打ちましょう。必要ならばルークの消滅も甘んじて受け入れましょう。そういえば、ルークを「友人」と呼んだ時の彼の顔は、なかなか見物でしたよ。

 それに、今の私には望みができました。後悔と絶望しか生まないと思っていたフォミクリ―にも、何らかの意味があるのではないか、と気づいたのです。ルークの成長は、レプリカの新たな可能性を私に示唆してくれました。レプリカを単なる複製ではない、新しい「何か」に昇華させる。それがフォミクリ―を生み出した私の義務であり、今の希望でもあります。


一つだけ個人的な引っかかりを言うと、ジェイドが(まだ死んでないのに)「ルークの消滅も必要なら受け入れる」と言ってるのがちょっと嫌かもでした。
ルークは消える。ジェイドはその無慈悲な現実を誰よりも理解している。
けど、それでも「奇跡を信じます」と言おうとするのが、本来はこの時期の彼じゃありませんでしたっけ。

必要ならルークの消滅も受け入れるって、まるでルークの死がジェイドへの罰だと言ってるみたいで。
客観的にそう捉えることができようとも、本人が主観的に言っちゃいけないことでは。
ルークは、ジェイドを罰する(または救う)為に生まれて死ぬわけじゃないのにね。彼は彼の人生を生きてるですよ。
友達ならギリギリまで死なない未来を信じてあげてくださいよぅ、原作みたく。


他キャラのショートストーリーは「小説風解説文」の域を抜けていなくて、どっこいどっこい?
パーティメンバー以外にも、アッシュ、ヴァン、イオンの小説風解説文があって、アッシュとヴァンのもいい感じでした。
流石にミュウはないのか…。

ただ、ガイのが。
私がおかしいんでしょうけど、読むと「むほははは(悶笑)」と、発情期の雄ライオンみたいなヤバイ顔になりそうで、どうにも困っちゃうのでした。

 自分は二度、生まれた。一度目は母の胎内から。二度目は姉たちの死体の中から。

(中略。復讐者として生きてきたが、記憶のないルークの世話をするうち迷うようになったと語る)

 過去を失った苦しみを思わず問うた彼に、仇の息子は、こともなげに答えた。

「昔のことばかり見ていても前に進めない。だから過去なんていらない」

 単純で、気負いのない、それはまさに、幼な子の言葉。けれど真理があった。忌まわしい過去から解き放たれようと選んだ復讐の道に足を取られて、自分は未だ一歩も前に進んでいない。だがルークは、有無を言わさず奪われた過去に背を向け、先に踏み出しつつあった。身を縛る呪いの鎖が、音を立てて軋み解けた。悲しみに霞んだ広大な屋敷に、柔らかな光が差した。咲き乱れる見事な薔薇たちの中に、焔のような赤毛の少年が、屈託なく笑っていた。


むほはははは。
勝手な想像ですが、この文章を書いたのは女の人かな、という印象を持ちました。どこか耽美な言い回しの感じがなんとなく。

そんでここ。

咲き乱れる見事な薔薇たちの中に、焔のような赤毛の少年が、屈託なく笑っていた。


ここ読むたびに、薔薇の花園の中で微笑む少女漫画的な紅顔の美少年ルークを想像してしまうよ。そんな彼を夢想しちゃってる、牙を抜かれた復讐者ガイ様だよ。背景は薔薇バラばら。意味なく舞い飛ぶ花びら、何故か吹く風。
そしてライオン笑いしそうになる私でした。むほははは。
こんなにむほむはしてしまうのは、私がガイ&ルークのコンビが大好きだからなんでしょうけど(笑)。
公式本の解説文なんてところに、予想外に濃厚なものが盛ってあるよ~、という。

他。
アニスの小説風解説文で、イオンのことを「初恋の人」と明言させてあるのは気になりました。
曖昧にした方が良かったんじゃないかな―…。
恋だと思う人は思えばいいし、少し違う「本当に大切な人」みたいな捉え方でもいいし…みたいに自分では思ってたので。
アニスはイオンに恋をしていたんでしょうか?
とても大事に思っていたのは疑いないけれど。

ティアの小説風解説文。
ファブレ邸に乱入してヴァンに斬りかかったのは「問い質そうと」したからだと書いてあって、え~!? と思いました。今まで出てた色んな公式物では、説得を諦めて「刺し違える覚悟で」突入したと語られていたのに。

ルークの小説風解説文。
句読点が多過ぎだっつーの。

イオンの小説風解説文。
操り人形の自分にはない活力が、ルーク、そしてシンクにあるから

うらやみ、そして自分もそうありたいと望んだ。


と書いてあって違和感。
シンクの死にざまはイオンの心を動かしたけど、それは活力ある様子に羨望を抱いたからなのか?
私はそうは思わないです。シンクの生き方があまりに悲しかったから、自分はそうありたくないと思って、レプリカとして無為に生きて死ぬことを辞めようと決意した、んだと解釈してます。
あと、

 糸が切れた操り人形の末路は、ただ倒れるだけと決まっている。それでもイオンに後悔はなかった。人形として生き永らえるのではなく、人間として生を全うできる。光と共に消え行く彼の顔は、希望をたたえた安らぎに満ちていた。


と締めてあって、え? こういう話だったっけ?? と違和感しきりでした。
私が思ってる『アビス』とはなんだか違う『アビス』があるみたいです。


他、ピオニー陛下、フリングス将軍、セシル将軍それぞれのカラー設定イラストが載っていたのも嬉しかったです。

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もう一つ。
ツイッターで、『アビス』メインシナリオライターさんが、メインキャラの名前の由来を少し解説されてましたね。

・正式名が決まる前は、全ての登場人物は色(花、宝石)の名で仮名を付けていた。何人かはそれが残っている
・正式名は、人名辞典を開きながら会議で決定

・ルーク~キリスト教の聖人ルカから。語感を重視して英語読みを選択。

・ティア~ホドの人間は本名が長いという設定で、省略形の名前を選んだ。また、ティアドロップ型のペンダントから

・ガイ~同じく、ホドの人間は名前が長いという設定に合わせ、バンナムの人に考えてもらった。

・ジェイド~翡翠から。色名(宝石名)に因む仮名の名残。

・アニス~色名(花の名前)に因む仮名の名残。

・ナタリア~ラテン語か何かで「出生」みたいな意味のある名を選んだ


つまり、アニスとジェイドは最初からキャラと名前のイメージがピッタリだったんですね。
ふむふむ。
そして、ホドの人の名前が長いのは決まりごとだったのか…。
ホドってマルクト帝国領だったことになってますが、独特の文化のある土地って設定だったんだなー。
なんだかんだで閉鎖的だったのでしょうか。
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【2011/06/26 23:15】 | テイルズ系の話【レス含】
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